君と一緒に便利な生活をするブログ:02月06日

13-09

ママはお腹が出ている…
しかし、姿勢は良い。

そのママがバイクに乗るところを見て
お子さんのころ同級生が、
「おまえのかあちゃん直角にスクーターに乗ってる!」と
揶揄してくれたものだ。

そのスクーターの前後に
いつもたくさんのスーパーのビニール袋を乗せて
母は仕事から家に帰ってきていた。

ブロローォン!!と
スクーターの音がしたら、
いもうとと二人で玄関に走り出て待っていた。

「お帰りなさい!なんかいいものある?」
と、そのビニール袋をガサガサと開けて
「いいもの探し」
をするのが俺達の楽しみだった。

三連のヨーグルトやりんごなんかが出てくると、
とても嬉しかった。

「ご飯の前には食べちゃダメよ」
そう言いながらも
喜ぶオレ達を見る母親は笑顔だった。

ある日いつもの時間にママが帰ってこない、
夕方日がとても綺麗な日だった。

携帯電話など無い時代
沈んでいく夕日とともに
ぼく達の心も騒ぎ出した…

「お母さん、スクーターで転んじゃったんだろうか?」
「もしかして帰ってこなかったらどうしよう」

二人でべそをかき始めた頃…
母親はいつもよりたくさんの袋をバイクに乗せて帰ってきた。
わし達のために
「いいもの」を探していて遅くなったのだろう。

ママの腹に抱きついて
「どうしてこんなに遅いのよ、いなくなっちゃうのかと思った!」
そう言ってワンワン泣いた。

あの時いつもの時間に帰ってこないことをきっかけに
いつか母親が死んでしまっていなくなってしまうと
お子さん心にそのことに気づいてしまった。
だから怖くて仕方なくなった。

でも、お母さんの柔らかなお腹の感触と体温が
その日が来るのはずっとずっと先のことだと
安心させてくれた。

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